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ポリマー改質アスファルト試験動画集

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Q & A

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Q6:

ポリマー改質アスファルトには、何が入っているのですか?

1. 概要

ポリマー改質アスファルトは前述の通り、従来のストレートアスファルトの持つ欠点(耐劣化性、耐低温性、耐流動性等)を補うために、表-1に示したようなゴム、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー等の各種ポリマーやオイル等のそれぞれの特徴を持った改質材をいろいろと組み合わせて添加しており、道路舗装の各仕様に応じ様々な性能が発揮されています。

2. 改質材用ポリマーの製造方法及び一般特性

次にこれら改質材用ポリマーがどのように製造され、どのような特性を持つのかにつきまして、ここでは表-1の内、代表的改質材であるSBSとSBRの2種類について、その概要をご紹介いたします。

SBS、SBRとも原料としてスチレンモノマー(S)とブタジエンモノマー(B)を用い、図-1に示すような基本的製造プロセスにより、両モノマーを化学的合成結合(共重合反応)させることにより製造(スチレン・ブタジエン共重合体)されます。

一般的に、(S)の重合体は樹脂的性質を示し、(B)の重合体はゴム的性質を示しますが、この両者のバランスあるいは重合方式、重合触媒、反応温度等を変えることにより両モノマーの結合形態が変わり、異なった性質のポリマーが製造されます。

ここでSBSとSBRの製造上における、主な相違点ならびにその違いによって得られるポリマーの特性についてご紹介いたしますと下記の通りです。(細部の相違点は紙面の都合上省略)

すなわちSBSの場合は、図-1に示す通り溶液重合方式によって製造されています。この方式によって生成するポリマーは溶媒に均一に溶解した高粘度状(水飴状)を示し、図-2に示すように(S)と(B)が規則的に配列(ブロック構造)され、ブロック構造部分の性質が顕著に現れる形で結合(ブロック共重合体)されています。したがってこのポリマーは、常温~120℃前後では極めて強靱なゴム弾性(SとBの相互作用)を持ちながら、高温では熱によって軟化(熱可塑性)しやすい樹脂的な性質(Sの作用)を合わせ持った特徴的なタイプ(熱可塑性エラストマー)のものとなります。

一方SBRの場合は、図-1に示す通り乳化重合方式によって製造されています。
生成するポリマーは、ラテックス状を示し、図―2に示すような、(S)と(B)が不規則に結合(ランダム共重合体)されたタイプのものとなり、常温~高温でもソフトなゴム弾性を示します。

共重合によって得られた各製造物は、図-1に示すような後処理工程にて最終仕上げされ、SBSは、その特性を生かし脱溶剤によって固形化されクラム<写真-1参照>、ペレット<写真-2参照>、粉末<写真-3参照>に、またSBRは脱水・濃縮によって固形分調整されたラテックス<写真-4参照>にそれぞれ加工されます。

〈写真-1〉
「クラム状のSBSポリマー」
多孔質な粒状でプレミックス用の改質材に用いられています。
〈写真-2〉
「ペレット状のSBSポリマー」
かさ密度の大きい粒状でプレミックス用の改質材に用いられています。
〈写真-3〉
「粉末状のSBSポリマー」
SBSクラムを粉末状に粉砕したものでプラントミックス、プレミックスの両方に用いられています。
〈写真-4〉
「液状のSBRラテックス」
一般にプラントミックス用の改質材に用いられています。

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